「となりの億万長者が17時になったらやっていること」あらすじ要約・ネタバレ・感想・レビュー(著:嶋村吉洋)

「となりの億万長者が17時になったらやっていること」あらすじ要約・ネタバレ・感想・レビュー(著:嶋村吉洋)
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私たちの多くは「お金持ち」になりたいと願いながらも、その方法がわからず日々を過ごしています。

嶋村吉洋さんの『となりの億万長者が17時になったらやっていること』は、単なる成功哲学の本ではなく、実際に億万長者たちが実践している具体的な習慣や思考法を紹介しています。

特に注目すべきは「17時以降の時間の使い方」。この時間帯こそが、普通の人と億万長者を分ける重要な分岐点なのです。本書を通して、成功者たちの日常に潜む秘密を探ってみましょう。

目次

「となりの億万長者が17時になったらやっていること」とは

著者・嶋村吉洋さんのプロフィール

嶋村吉洋さんは兵庫県出身の実業家・投資家です。彼の経歴で特筆すべきは、なんと10代で起業したという点。少年時代から経営者や投資家に囲まれて育った環境が、彼のビジネスセンスを磨いたのでしょう。現在は「ワクセル」という組織を主催し、イベント事業、不動産事業、ロボティクス事業など多岐にわたる分野で活躍しています。

嶋村さんの活動理念は「ワクワクがいっぱい溢れる世の中にする」というもの。尊敬する経営者であるキーエンスの滝崎武光氏のように、メディア露出を極力控え、黒子に徹することを信条としています。そんな彼が、1,500名を超える成功者たちとの交流から得た知見を惜しみなく公開したのが本書なのです。

本書の概要と位置づけ

『となりの億万長者が17時になったらやっていること』は、単なる「お金持ちになる方法」を説いた本ではありません。著者は「幸せな億万長者」という言葉を使い、経済的成功だけでなく、人生全体の豊かさを追求することの重要性を説いています。

本書の特徴は、成功者たちが共通して持つ45のエッセンスを具体的に紹介していること。特に注目すべきは、彼らが「17時以降」の時間をどのように活用しているかという点です。多くの人が仕事を終えてリラックスする時間帯こそ、実は将来の成功を左右する重要な時間だというのです。

出版の背景

本書が2024年4月に出版された背景には、現代社会における「会社依存」からの脱却という課題があります。終身雇用が崩壊し、一つの会社に頼るだけでは将来の安定が保証されない時代。そんな中で、普通の会社員が「17時以降」の時間を活用して、社会資本、人的資本、金融資本という3つの資本を同時に確立するための戦略書として本書は位置づけられています。

嶋村さんは、自身の経験と成功者たちとの交流から得た知見を、誰もが実践できる形で提供したいという思いから本書を執筆しました。その内容は、理論だけでなく実践的なアドバイスに満ちており、読者が明日から行動に移せるよう配慮されています。

本書の主要テーマ

成功者の習慣とは

成功者たちには、いくつかの共通する習慣があります。嶋村さんによれば、それは決して特別なものではなく、誰もが取り入れられる日常的な行動パターンだといいます。

例えば、成功者たちは自分から挨拶を欠かさないそうです。これは単なる礼儀作法ではなく、人間関係を構築する上での基本姿勢。また、トイレ掃除を徹底するという習慣も共通しているとか。一見、お金儲けとは無関係に思えるこうした行動が、実は成功への土台を築いているのです。

さらに特筆すべきは、成功者たちの「倹約」の習慣。一般的なイメージとは異なり、本当のお金持ちは無駄遣いを極端に嫌い、価値のないものへの出費を控えます。これは「ケチ」というよりも、合理的なお金の使い方を好む傾向と言えるでしょう。

17時以降の時間の使い方の重要性

本書のタイトルにもなっている「17時以降の時間の使い方」こそが、成功者と平均的な人を分ける大きな違いです。多くの人は仕事が終わった後、ただ疲れを癒すためにテレビを見たり、何となくSNSをチェックしたりして時間を過ごします。

一方、成功者たちは17時以降の時間を戦略的に使います。例えば、新しい知識を得るための読書や、価値観を共有できる仲間との交流、自己投資のための学びの時間などに充てるのです。彼らは「この選択は、自分にとって効果的なのだろうか?」と常に考え、時間の使い方を意識的に選択しています。

嶋村さんは、定時が17時で、その後に自己啓発のための予定を入れていたとき、上司から残業を頼まれたらどうするかという例を挙げています。「予定があるので無理です」と断るか、仕方なく残業を受け入れるか、この選択一つで未来が大きく変わるというのです。つまり「今日の延長線上に未来がある」という考え方が成功者には共通しています。

億万長者の思考パターン

成功者たちの思考パターンにも共通点があります。まず挙げられるのは「投資家の発想」です。彼らは自分の時間やお金、労力をどこに投資するかを常に考えています。短期的な利益よりも長期的な価値を重視し、目先の快楽よりも将来のリターンを優先する傾向があります。

また、「ギブの精神」も重要な思考パターンの一つ。成功者たちは「自分が得をしたい」と思うなら、まず「誰かに得をさせること」を考えます。これを著者は「究極の利己主義」と呼んでいます。自分が仲間にしてほしいことを、まず自分が行い、その結果と評価を気にして改善する。そうした姿勢が、結果的に自分自身の成功につながるというわけです。

さらに、成功者たちは「選択と集中」の原則を徹底しています。アップルの創業者スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば「フォーカスとは、ノーと言うこと」。重要なことに集中するためには、それ以外のことには「ノー」と言う勇気が必要なのです。

あらすじ詳細

主人公「僕」と億万長者の出会い

本書は、著者である嶋村さん自身の経験を基にしたストーリーが展開されます。10代の頃、彼は地元の兵庫県で起業し、ビジネスの世界に足を踏み入れました。そこで彼は様々な成功者たちと出会い、彼らの生き方や考え方に触れる機会を得ます。

特に印象的だったのは、ある億万長者との出会い。その人物は外見からは決して裕福さを感じさせない質素な服装をしていましたが、その言動や周囲への影響力は並外れたものでした。嶋村さんはその人物に興味を持ち、彼の日常や習慣について観察し始めます。

そこで気づいたのが、その億万長者が「17時以降」の時間の使い方に非常にこだわっているという事実。仕事が終わった後の時間をどう過ごすかが、その人の将来を大きく左右するという考え方に、嶋村さんは大きな衝撃を受けたのです。

億万長者の日常習慣

億万長者の日常は、意外にもシンプルで規則正しいものでした。早朝に起床し、まずは自分自身のための時間を確保します。瞑想やストレッチ、読書など、心と体を整える時間を大切にしているのです。

仕事中は集中力を最大限に発揮するため、「ディープワーク」の時間を設けています。これは、誰にも邪魔されず、重要なプロジェクトに没頭する時間のこと。通知をオフにし、不要なタブを閉じ、対応不可であることをチームに周知することで、生産性を高めているのです。

また、健康管理にも非常に気を配っています。運動や健康的な食事、十分な睡眠を優先し、体調を最良の状態に保つことで、パフォーマンスを最大化しているのです。これは「金持ちで不健康というのはいただけない」という考え方に基づいています。

17時以降の過ごし方の秘密

そして本書の核心部分、億万長者たちが「17時以降」にどのように時間を過ごしているのか。彼らは仕事が終わった後の時間を、主に以下のような活動に充てています。

まず、自己投資の時間。新しい知識やスキルを身につけるための読書や学習に時間を使います。これは直接的な収入にはつながらなくても、長期的には大きなリターンをもたらす投資と考えているのです。

次に、人間関係の構築。価値観を共有できる仲間との交流を大切にし、コミュニティを形成しています。嶋村さんによれば、成功者たちは「集まる場所」を決めており、そこで定期的に仲間と会うことで人脈を広げているとのこと。

さらに、情報収集の時間も重要視しています。業界の最新動向や社会の変化を敏感に捉えるため、様々なメディアからバランス良く情報を得ることを心がけているのです。

億万長者が17時になったらやっている5つのこと

情報収集の習慣

億万長者たちは、質の高い情報を効率的に収集する術を心得ています。彼らは単にニュースを見るだけでなく、様々な角度から情報を集め、それを自分なりに分析し、実際の行動に結びつけています。

特に重視しているのは、専門家とのネットワーク構築。自分が詳しくない分野については、その道のプロと積極的に交流し、最新の知見を得ることを心がけています。また、読書も重要な情報源の一つ。成功者たちは平均して一般の人よりも多くの本を読み、知識の幅を広げています。

さらに、彼らはSNSやインターネットの情報を鵜呑みにせず、常に批判的思考を持って接しています。情報の信頼性を確認し、複数の情報源から検証することで、質の高い情報だけを取り入れる習慣があるのです。

人間関係の構築方法

億万長者たちにとって、人間関係は単なる社交ではなく、重要な「資産」です。彼らは意識的に価値観を共有できる仲間を見つけ、信頼関係を築いていきます。

嶋村さんによれば、コミュニティ構築の第一歩は「集まる場所」を決めること。ファミレスでも居酒屋でも、レンタルスペースでも構いません。重要なのは、定期的に集まれる場所があることです。そして、そこで「価値観の合う人だけを残す」という作業を続けていくのです。

興味深いのは、成功者たちが「3人の本気の仲間」を見つけることを重視している点。「一緒にコミュニティを大きくしよう」と本気で思える仲間が3人できれば、そこからコミュニティは発展していくと考えているのです。ただし、その3人を見つけるのは容易ではなく、多くの人に出会い、価値観の合う人を見極める必要があります。

自己投資の時間の確保

成功者たちは、自己投資を惜しみません。たとえ今の財布に余裕がなくても、必要な金額を調達してでも自己成長のための投資を行い、成長を加速させています。

彼らが行う自己投資は多岐にわたります。スキルアップのための講座やセミナー、専門書の購入、人間関係を広げるためのネットワーキングイベントなど、自分にとって必要だと感じたことに対して迷わず行動します。

重要なのは、これらの投資がすぐに成果として現れるわけではないという点。しかし、その積み重ねが確実に未来の自分を支える礎となっているのです。ある経営者は若い頃に借金をしてまでビジネススクールに通い、その経験が現在のビジネス成功の基盤となったと語っています。

明日への準備と振り返り

億万長者たちは、一日の終わりに必ず「振り返り」の時間を設けています。その日の出来事や決断、感情を振り返り、何が良かったか、何を改善すべきかを考えるのです。

また、翌日の準備も入念に行います。明日のスケジュールを確認し、優先すべきタスクを明確にしておくことで、朝から効率的に動けるよう心がけています。中には、翌日の服装まで決めておく人もいるとか。こうした小さな習慣が、日々の生産性を高めているのです。

さらに、週末には一週間の振り返りと、翌週の計画を立てる時間も確保しています。長期的な目標に向かって着実に進んでいるかを確認し、必要に応じて軌道修正を行うのです。

マインドフルネスの実践

意外かもしれませんが、多くの成功者たちは「マインドフルネス」を実践しています。これは、今この瞬間に意識を集中させ、自分の思考や感情を客観的に観察する習慣のこと。

彼らは瞑想やヨガ、深呼吸などの方法で、日々の喧騒から一時的に離れ、心を静める時間を持っています。これにより、ストレスを軽減し、集中力を高め、創造性を刺激しているのです。

例えば、Spanxの創業者サラ・ブレイクリーは、ヨガやランニング、自宅での簡単なエクササイズなど、毎日必ず運動するように心がけているとのこと。活動的に過ごすことで一日中頭が冴え、活力あふれる状態を維持できると考えているのです。

億万長者の思考法から学ぶこと

時間の価値観の違い

億万長者たちと一般の人々との間で、最も大きな違いの一つが「時間の価値観」です。成功者たちは時間を最も貴重な資源と考え、その使い方に非常に敏感です。

彼らは「時間は全ての人に平等に与えられる唯一の資源」という認識を持ち、その使い方が人生の質を決めると考えています。だからこそ、時間の浪費を極端に嫌い、常に「この時間の使い方は効果的か」を自問自答しているのです。

本田宗一郎氏の言葉を借りれば「発明・創意・工夫の中で一番大切なのが時間。いくら良い発明、発見をしても、百万分の一秒遅れたら、発明でも発見でもない」。成功者たちは、この「時間の価値」を骨身に染みて理解しているのです。彼らは「時間」というリソースを最大限に活用するために、常に優先順位を明確にし、重要なことに集中する習慣を身につけています。

一般的な人々が「時間があるから何かをする」と考えるのに対し、成功者たちは「何かをしたいから時間を作る」という発想の転換ができています。彼らにとって時間は「使うもの」ではなく「投資するもの」なのです。

嶋村さんは、億万長者たちが17時以降の時間を特に大切にしている理由として、この時間帯が「自分の意思で使える時間」だからだと説明しています。会社の拘束から解放されたこの時間をどう使うかが、将来の自分を決定づけるというわけです。

長期的視点での判断基準

億万長者たちのもう一つの特徴は、「長期的視点」を持っていることです。彼らは目先の利益や快楽よりも、5年後、10年後の自分を見据えた判断をする傾向があります。

例えば、多くの人は給料が上がると生活水準も上げてしまいますが、成功者たちは収入が増えても生活水準をあまり変えず、余剰資金を将来のための投資に回す傾向があります。これは「今の満足」よりも「将来の安定と成長」を優先する考え方です。

また、彼らは自分の行動を選択する際に「これは将来の自分にとって価値があるだろうか?」という基準で判断します。例えば、新しいスキルを学ぶことや、質の高い人間関係を構築することは、すぐには見返りがなくても長期的には大きな価値をもたらすと考えるのです。

嶋村さんは、この「長期的視点」を持つためには、まず自分の「ビジョン」を明確にすることが重要だと説きます。どんな人生を送りたいのか、どんな価値観を大切にしたいのかを明確にすることで、日々の判断基準が定まるというわけです。

失敗への向き合い方

億万長者たちと一般の人々との間で、もう一つ大きく異なるのが「失敗への向き合い方」です。成功者たちは失敗を恐れず、むしろそこから学ぶ姿勢を持っています。

彼らは失敗を「終わり」ではなく「始まり」と捉えます。何かがうまくいかなかった時、それを自分の価値を下げる要因とは考えず、次に活かすための貴重な情報と考えるのです。

例えば、ある投資家は初めての投資で大きな損失を出しましたが、その経験から投資の基本原則を学び、その後の成功につなげました。彼は「あの失敗があったからこそ、今の自分がある」と語っています。

嶋村さんによれば、成功者たちは「失敗」と「間違い」を区別しているとのこと。「間違い」は同じことを繰り返すことですが、「失敗」は新しいことに挑戦した結果起こるもの。彼らは「間違い」は避けますが、「失敗」は成長のために必要なプロセスと考えているのです。

また、彼らは失敗した時に「自分は何者か」を問い直すのではなく、「何をしたか」に焦点を当てます。つまり、失敗を人格の問題ではなく、行動の問題として捉えるのです。これにより、自己価値を保ちながら、行動だけを修正することができます。

本書から読み取れる成功への道筋

習慣化の重要性

本書を通して繰り返し強調されているのが「習慣の力」です。成功者たちは特別な才能や運に恵まれたわけではなく、日々の小さな習慣の積み重ねによって今の地位を築いたのです。

嶋村さんは「成功は一日にしてならず」という言葉を引用し、継続的な習慣こそが成功の鍵だと説きます。例えば、毎日30分の読書、週に3回の運動、定期的な人脈づくりの時間確保など、一見些細に思える習慣が、長期的には大きな差を生み出すのです。

習慣化のコツとして、嶋村さんは「小さく始めること」を推奨しています。例えば「毎日1時間読書する」という目標は挫折しやすいですが、「毎日10ページ読む」という小さな目標なら続けやすいでしょう。そして、その小さな習慣が定着したら、少しずつレベルアップしていくのです。

また、習慣化には「環境設計」も重要です。例えば、読書習慣を身につけたいなら、常に本を手の届く場所に置いておく。スマホの誘惑を減らしたいなら、就寝時はスマホを別の部屋に置くなど、自分の行動を促進する環境を意識的に作り出すのです。

小さな積み重ねの力

成功への道のりは、一足飛びに達成されるものではありません。それは日々の小さな選択と行動の積み重ねによって形作られるものです。

嶋村さんは「複利の力」という概念を用いて、小さな積み重ねの重要性を説明しています。例えば、毎日1%だけ成長すれば、1年後には37倍以上の成長を遂げることになります。逆に、毎日1%ずつ後退すれば、1年後にはほぼゼロになってしまうのです。

この「複利の法則」は、お金の世界だけでなく、知識やスキル、人間関係においても同様に働きます。毎日少しずつ知識を増やし、スキルを磨き、人間関係を深めていくことで、長期的には大きな資産が形成されるのです。

成功者たちは、この「小さな積み重ね」の力を理解しているからこそ、日々の行動に意識的なのです。彼らは「今日一日の選択が、将来の自分を作る」という認識を持ち、日々の小さな選択を大切にしています。

意識的な時間の使い方

本書の核心部分である「17時以降の時間の使い方」について、嶋村さんは具体的な戦略を提案しています。

まず、「時間の棚卸し」を行うこと。現在の自分がどのように時間を使っているのかを客観的に分析し、無駄な時間を特定します。例えば、スマホの使用時間を記録するアプリを使って、SNSやゲームに費やしている時間を可視化するのです。

次に、「時間のブロック化」を実践すること。一日の中で、特定の活動に集中する時間帯を設定します。例えば、朝の6時から7時は読書の時間、夜の8時から9時は家族との時間など、目的別に時間を区切ることで、効率的に時間を使えるようになります。

また、「時間の質」にも注目すること。同じ1時間でも、集中力が高い状態で取り組む1時間と、疲れて集中力が低下している状態での1時間では、成果に大きな差が出ます。自分のエネルギーレベルが高い時間帯に、最も重要なタスクに取り組むよう心がけるのです。

嶋村さんは「時間の使い方」を変えることで、人生そのものが変わると強調しています。特に「17時以降」の自由な時間をどう使うかが、将来の自分を決定づけるというメッセージは、本書を通して繰り返し語られています。

実践できる億万長者の習慣

すぐに始められる習慣

本書では、億万長者たちの習慣の中から、誰でもすぐに始められるものがいくつか紹介されています。

まず、「朝型生活」への移行。多くの成功者たちは早起きの習慣を持っており、朝の静かな時間を自己投資に充てています。嶋村さんは、まずは30分だけ早く起きることから始め、徐々に時間を早めていくことを提案しています。

次に、「感謝の習慣」。成功者たちは日々の小さなことに感謝する習慣を持っています。嶋村さんは、毎晩寝る前に今日感謝したことを3つ書き出す習慣を推奨しています。これにより、ポジティブな心理状態が維持され、ストレス耐性も高まるとのこと。

また、「読書の習慣」も重要です。成功者たちは平均して一般の人よりも多くの本を読んでいます。嶋村さんは、まずは1日10ページから始め、読書を日課にすることを勧めています。特に、自己啓発書やビジネス書、伝記などから学ぶことで、他者の経験や知恵を自分のものにできるのです。

さらに、「人間関係構築の習慣」も見逃せません。週に一度は新しい人と会う、月に一度は異業種交流会に参加するなど、意識的に人脈を広げる習慣を持つことが推奨されています。

継続するためのコツ

習慣を始めることは比較的簡単ですが、それを継続することは難しいものです。嶋村さんは、習慣を継続するためのいくつかのコツを紹介しています。

まず、「アカウンタビリティパートナー」を持つこと。つまり、自分の目標や進捗を共有し、互いに励まし合える仲間を見つけるのです。誰かに宣言することで、責任感が生まれ、継続する確率が高まります。

次に、「習慣トラッキング」の活用。カレンダーやアプリを使って、習慣を実行した日にチェックを入れていくことで、視覚的に進捗を確認できます。連続して実行した日数が増えていくと、それを途切れさせたくないという心理が働き、継続の動機づけになります。

また、「環境デザイン」も重要です。例えば、ジムに行く習慣をつけたいなら、帰り道にあるジムに入会する。読書習慣をつけたいなら、常にベッドサイドに本を置いておくなど、習慣を実行しやすい環境を意識的に作り出すのです。

さらに、「報酬システム」の構築も効果的です。習慣を一定期間続けたら、自分へのご褒美を用意するのです。ただし、その報酬が習慣の目的と矛盾しないよう注意が必要です。例えば、ダイエットの習慣を続けた報酬に高カロリーな食事を選ぶのは逆効果でしょう。

効果を実感するまでの期間

新しい習慣を始めたとき、すぐに効果が現れることはまれです。嶋村さんは、習慣の効果を実感するまでには一定の期間が必要だと説明しています。

一般的に、新しい習慣が定着するまでには約66日かかるとされています。つまり、2ヶ月以上継続することで、その行動が自然と体に染み付くようになるのです。しかし、習慣の複雑さや個人差によって、この期間は変動します。

また、習慣の効果を実感するまでの期間も習慣の種類によって異なります。例えば、運動習慣の場合、体の変化を実感するまでには3ヶ月程度かかることが多いでしょう。読書習慣なら、知識の蓄積や思考の変化を感じるまでに半年ほどかかるかもしれません。

嶋村さんは、この「効果を実感するまでの期間」を「砂漠期間」と呼んでいます。多くの人はこの期間に挫折してしまいますが、成功者たちはこの期間を乗り越えることができるのです。彼らは短期的な結果に一喜一憂せず、長期的な視点で習慣の価値を理解しているからこそ、継続できるのです。

この「砂漠期間」を乗り越えるためには、小さな進歩にも目を向けることが大切です。例えば、読書習慣なら「読んだページ数」、運動習慣なら「続けた日数」など、結果以外の指標にも注目し、自分の努力を認めることが継続のモチベーションになります。

感想・レビュー

嶋村吉洋さんの『となりの億万長者が17時になったらやっていること』を読み終えて、私の中に静かな衝撃が走りました。それは雷のような派手な衝撃ではなく、じわじわと心に染み入るような、しかし確実に何かを変えてしまうような種類のものでした。

この本の魅力は、億万長者という遠い存在の習慣や思考法を、私たちの日常に溶け込むような形で提示してくれる点にあります。「17時以降の時間の使い方」という切り口は、誰もが持っている「仕事後の自由時間」をどう活用するかという、極めて身近なテーマです。それでいて、その時間の使い方が将来の自分を大きく左右するという指摘は、目から鱗が落ちる思いでした。

特に印象に残ったのは、成功者たちが持つ「時間の価値観」です。彼らにとって時間は「使うもの」ではなく「投資するもの」だという考え方は、私自身の時間の使い方を見直すきっかけになりました。毎晩何となくスマホをいじっている時間も、意識的に使えば読書や学習、人間関係の構築に充てられるのだと気づかされたのです。

また、本書で繰り返し語られる「コミュニティの重要性」も心に響きました。成功は決して一人では成し遂げられず、価値観を共有できる仲間との関係性が大きな支えになるという指摘は、現代社会で見落とされがちな真実です。嶋村さんが16歳の頃からファミレスに仲間を集め、コミュニティを形成してきた話は、人との繋がりを大切にすることの重要性を改めて教えてくれました。

本書の素晴らしさは、理論だけでなく実践的なアドバイスが豊富に盛り込まれている点にもあります。「すぐに始められる習慣」や「継続するためのコツ」など、読者が明日から行動に移せるような具体的な提案が随所に散りばめられています。これは単なる「成功哲学」の本ではなく、実用的な「行動指南書」なのです。

読み終えた今、私は自分の「17時以降の時間」を見直そうと思います。何となくSNSをチェックする代わりに読書の時間を設け、テレビを見る時間を減らして新しい人との出会いの場に足を運ぶ。そんな小さな変化から始めて、少しずつ「幸せな億万長者」に近づいていきたいと思います。

嶋村さんの言葉を借りれば、「今日の延長線上に未来がある」のです。この本は、その「今日」をどう過ごすかを考えるための、貴重な羅針盤となってくれるでしょう。

まとめ

『となりの億万長者が17時になったらやっていること』は、成功者たちの習慣と思考法を通して、私たち一般人でも実践できる成功への道筋を示してくれる一冊です。嶋村吉洋さんは、1,500名を超える成功者との交流から得た知見を惜しみなく公開し、特に「17時以降の時間の使い方」に焦点を当てることで、新たな視点を提供してくれました。

本書から学べる最も重要なメッセージは、「今日の延長線上に未来がある」ということ。日々の小さな選択と習慣が、将来の自分を形作るという事実を忘れてはなりません。また、成功には「コミュニティ」の力が不可欠であり、価値観を共有できる仲間との関係構築が重要だということも心に留めておきたいポイントです。

この本を読んだ後、あなたの「17時以降」がどう変わるか。それが、あなたの未来を決めるかもしれません。

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