約50カ国を旅し、50種類もの仕事を経験してきた有川真由美さんによる『センスいい人がしている80のこと』は、「センスいい」と感じる人たちの共通点から導き出された習慣の集大成です。
この本では、センスは生まれつきのものではなく、後天的に身につけられるという前提に立ち、日常生活から人間関係、仕事まで幅広い場面で実践できる80の習慣を紹介しています。
自分らしいセンスを磨きたい方、日々の生活をより豊かにしたい方に向けた、具体的で実践しやすい知恵が詰まった一冊です。
センスとは何か?
生まれつきではなく、後天的に身につけられるもの
「センスがいい人はいいな」と感じたことがある人は多いでしょう。そんな時、「自分にはセンスがない」と諦めてしまったことはありませんか?有川さんは、そんな思い込みを真っ向から否定します。
センスとは、生まれながらに持っているものだけではなく、後天的に身につけられるものなのです。特に見た目や振る舞い、言葉や仕事など社会性を持ったセンスは、ほとんどが後天的に身につけるものばかりです。
有川さんは「あなたは”センスの原石”があるからこそ、『自分はセンスに自信がない』などと気づけるのです」と言います。つまり、センスの良さを認識できること自体が、すでにセンスの原石を持っている証拠なのです。
この考え方は、多くの人に希望を与えてくれます。どんな人でも、何歳からでも、センスを磨くことができるのです。
自分の生き方の指針となるもの
センスとは、単なる見た目の良さや物の選び方だけではありません。それは、自分の生き方の指針となるものです。
有川さんは「センスとは、生き方の定まり具合である」と解釈しています。センスがいい人とは、生き方がきちんと定まっている人のことです。そのため、ブレない、流されない、その姿にセンスを感じるのです。
反対に、センスが悪いとは、生き方が定まっていない状態を指します。ブレて、流されて、その姿にセンスのなさ、つまりダサさを感じてしまうのです。
自分だけのセンスを磨くということは、自分の生き方を定めることにつながります。そして、センスの合う人たちと関係を深めていくことで、自分を幸せにすることにもつながるのです。
「センスの原石」はすでに誰もが持っている
有川さんは、誰もが「センスの原石」を持っていると言います。それは、自分が「好き」と感じるものの中に隠れています。
センスを磨くためには、まず自分が本当に好きなものを知ることが大切です。そして、その「好き」を大切にし、磨いていくことで、自分だけのセンスが形作られていきます。
「センスの原石」は、あなたの中にすでに存在しています。それを見つけ、磨くことで、あなただけの輝きを放つセンスが生まれるのです。
日常生活で実践できるセンスの磨き方
好きなものだけで選ぶ習慣をつくる
センスを磨く第一歩は、「好き」を大切にすることです。有川さんは「好きはセンスの母」だと言います。自分が本当に好きなものだけを選ぶ習慣をつけることで、自分だけのセンスが磨かれていきます。
例えば、洋服を買うとき、「これが流行っているから」「みんなが持っているから」という理由ではなく、「本当に好きだから」という理由で選ぶようにしましょう。そうすることで、自分らしいスタイルが確立されていきます。
また、インテリアを選ぶときも同様です。自分が本当に心惹かれるものだけを選ぶことで、自分らしい空間が作られていきます。
「好き」を基準に選ぶことで、自分の感性が磨かれ、センスが向上していくのです。
「私だけのセンスのお手本」を見つける
センスを磨くためには、自分だけの「センスのお手本」を見つけることも大切です。それは、あなたが「センスがいいな」と感じる人かもしれませんし、雑誌や映画の中のキャラクターかもしれません。
そのお手本を観察し、何がセンスいいと感じるのか、その理由を考えてみましょう。そして、自分に取り入れられる部分を少しずつ実践していくのです。
ただし、丸ごと真似するのではなく、自分らしさを大切にしながら取り入れることが重要です。そうすることで、他の人とは違う、あなただけのセンスが磨かれていきます。
違和感のあるものはあっさり手放す
センスを磨くためには、「手放す」ことも大切です。自分に違和感があるもの、しっくりこないものは、思い切って手放しましょう。
例えば、クローゼットの中の洋服。着ていないもの、着たくないものは思い切って手放すことで、自分が本当に好きな服だけが残ります。そうすることで、毎日の服選びがスムーズになり、自分らしいスタイルが確立されていきます。
また、人間関係も同様です。自分に合わない人との関係は、適度な距離を保つことも大切です。すべての人と仲良くする必要はありません。自分に合う人との関係を大切にすることで、心地よい人間関係が築けるのです。
違和感のあるものを手放すことで、自分の感性がより明確になり、センスが磨かれていくのです。
一日一回の「ひとり時間」をつくる
センスを磨くためには、自分と向き合う時間が必要です。有川さんは、一日一回の「ひとり時間」をつくることを勧めています。
ひとり時間とは、自分だけの時間のことです。その時間に、自分の好きなことをしたり、何も考えずにぼんやりしたりすることで、自分の感性と向き合うことができます。
例えば、朝の時間に一人でコーヒーを飲む時間を作ったり、夜にお風呂でゆっくりする時間を作ったりするのもいいでしょう。また、散歩や読書の時間を作るのもおすすめです。
ひとり時間を持つことで、自分の感性に耳を傾け、センスを磨くことができるのです。
見た目で感じるセンスを高める方法
まずは「清潔感のある人」を心がける
センスのいい人の第一印象は、清潔感があることです。清潔感は、センスの基本中の基本と言えるでしょう。
清潔感とは、単に体や服が清潔であるだけでなく、全体的な印象のことを指します。髪型が整っていること、服にシワやシミがないこと、爪が手入れされていることなど、細部にまで気を配ることが大切です。
また、香りも重要です。強すぎる香水は避け、さりげない清潔な香りを心がけましょう。
清潔感は、特別なことをしなくても、日々の小さな心がけで実現できます。それが、センスのいい人の第一歩なのです。
「20年使えるもの」「100年使えるもの」を意識する
センスのいい人は、物を選ぶとき、その物の寿命を意識しています。「20年使えるもの」「100年使えるもの」を選ぶことで、長く愛用できる質の高いものに囲まれた生活を送ることができます。
例えば、家具を選ぶとき、流行に左右されないデザインで、素材が良く、丈夫なものを選ぶことで、長く使い続けることができます。また、食器や調理器具も同様です。質の良いものを選ぶことで、長く使い続けることができます。
「20年使えるもの」「100年使えるもの」を意識することで、物に対する目が養われ、センスが磨かれていくのです。
自分を輝かせてくれる「色」を持つ
センスのいい人は、自分を輝かせてくれる「色」を知っています。それは、自分の肌の色や髪の色に合う色、自分が身につけると元気が出る色など、自分にとって特別な色のことです。
自分を輝かせてくれる色を見つけるためには、実際に様々な色の服を試着してみたり、メイクの色を変えてみたりすることが大切です。また、自分が心惹かれる色に注目してみるのもいいでしょう。
自分を輝かせてくれる色を知り、それを取り入れることで、自分らしさが際立ち、センスが磨かれていくのです。
センスのいい人の振る舞いと言葉
愚痴を「笑いのネタ」に変換する技術
センスのいい人は、愚痴を「笑いのネタ」に変換する技術を持っています。つまり、ネガティブな出来事も、ユーモアを交えて話すことで、場の雰囲気を明るくする力を持っているのです。
例えば、仕事で失敗したとき、「もう最悪だった」と言うのではなく、「まるでコメディ映画のワンシーンのようだった」と笑い話にすることで、自分も周りも気持ちが軽くなります。
愚痴を「笑いのネタ」に変換することで、自分自身もポジティブな気持ちになり、周りの人も心地よく感じるのです。これも、センスのいい人の特徴の一つです。
「おもてなし」は軽やかに、さりげなく
センスのいい人の「おもてなし」は、軽やかでさりげないものです。相手に負担をかけず、自然な形でもてなすことができます。
例えば、来客があったとき、「何も用意していなくてごめんなさい」と言いながら、実は事前に準備していたお茶菓子を出すのではなく、「ちょうどいいものがあるから」と自然に出すことで、相手も気負わずにくつろぐことができます。
また、おもてなしは完璧である必要はありません。自分ができる範囲で、心を込めることが大切です。
「おもてなし」を軽やかに、さりげなく行うことで、相手も自分も心地よく過ごせる空間が作られるのです。
「いい言葉」を書き留める習慣
センスのいい人は、「いい言葉」を大切にしています。本や映画、会話の中で出会った「いい言葉」を書き留める習慣を持っているのです。
書き留めた言葉は、自分の言葉の引き出しとなり、会話や文章の中で活かされます。また、落ち込んだときに読み返すことで、勇気をもらうこともできます。
「いい言葉」を書き留める習慣は、自分の感性を磨き、表現力を豊かにするのに役立ちます。それが、センスのいい人の魅力の一つなのです。
ネガティブな言葉をポジティブに言い換える
センスのいい人は、ネガティブな言葉をポジティブに言い換える力を持っています。例えば、「失敗した」ではなく「学びがあった」、「忙しい」ではなく「充実している」というように言い換えることで、自分も周りも前向きな気持ちになれます。
言葉には力があります。使う言葉によって、自分の気持ちも、周りの人の気持ちも変わってきます。ネガティブな言葉をポジティブに言い換えることで、自分も周りも明るい気持ちになれるのです。
ネガティブな言葉をポジティブに言い換える習慣は、センスのいい人の特徴の一つです。
遊びとセンスの関係性
「ワクワクすること」はとりあえずやってみる
センスのいい人は、「ワクワクすること」に素直に従う勇気を持っています。「やってみたい」と思ったことは、とりあえずやってみるのです。
例えば、興味を持った習い事があれば、「自分に向いているかどうか」「続けられるかどうか」と悩む前に、まずは体験レッスンに参加してみる。新しいレストランを見つけたら、「評判はどうだろう」と調べる前に、まずは行ってみる。そんな好奇心旺盛な姿勢が、センスを磨くことにつながります。
「ワクワクすること」に素直に従うことで、新しい発見があり、自分の世界が広がります。それが、センスを磨くことにつながるのです。
本を読んだ感想を誰かに伝えてみる
センスのいい人は、本を読んだ感想を誰かに伝える習慣を持っています。それは、単に「面白かった」「つまらなかった」というだけでなく、「どこが面白かったのか」「どんな発見があったのか」を具体的に伝えることです。
感想を伝えることで、自分の考えが整理され、新たな気づきが生まれることもあります。また、相手からの反応によって、自分が気づかなかった視点を得ることもできます。
本を読んだ感想を誰かに伝える習慣は、自分の感性を磨き、表現力を豊かにするのに役立ちます。それが、センスのいい人の魅力の一つなのです。
哲学に親しむことでセンスが磨かれる
センスのいい人は、哲学に親しんでいます。哲学とは、「なぜ」を問い続ける学問です。「なぜ人は生きるのか」「なぜ美しいと感じるのか」など、根本的な問いに向き合うことで、自分の価値観が明確になります。
哲学に親しむとは、難しい本を読むことだけではありません。日常の中で「なぜ」を問い続けることも、哲学的な思考です。例えば、「なぜこの映画が好きなのか」「なぜこの人に惹かれるのか」と考えることで、自分の価値観が明確になります。
哲学に親しむことで、自分の価値観が明確になり、センスが磨かれていくのです。
人間関係におけるセンスの活かし方
自分を、この世界の誰とも比べない
センスのいい人は、自分を他人と比べません。「あの人より劣っている」「あの人より優れている」という比較の思考から自由なのです。
他人と比べることで生まれるのは、劣等感や優越感です。どちらも、自分自身を見失わせる感情です。センスのいい人は、自分は自分、他人は他人と割り切り、自分自身の成長だけに目を向けています。
自分を他人と比べないことで、自分自身に正直に生きることができます。それが、センスのいい人の魅力の一つなのです。
会話から「貢献できること」を見つける
センスのいい人は、会話の中から「貢献できること」を見つける力を持っています。相手の話を聞きながら、「自分にできることはないか」「自分が知っていることで役立つことはないか」と考えるのです。
例えば、相手の話を聞きながら、「自分にできることはないか」「自分が知っていることで役立つことはないか」と考えるのです。友人が引っ越しの話をしていたら、自分が知っている便利な業者を紹介したり、引っ越しの際に役立つ情報を共有したりします。また、仕事の悩みを聞いたら、自分の経験から得た知恵を伝えたりします。
このように、会話の中から「貢献できること」を見つけることで、相手にとって価値ある存在になれます。それが、センスのいい人の魅力の一つなのです。
自分の「人と違うこと」を意識する
センスのいい人は、自分の「人と違うこと」を意識しています。それは、他の人にはない自分だけの特徴や強みのことです。
例えば、料理が得意なこと、音楽の知識が豊富なこと、海外の文化に詳しいことなど、自分だけの特徴や強みを意識し、それを活かすことで、自分らしさが際立ちます。
自分の「人と違うこと」を意識することで、他の人と同じようにする必要がなくなり、自分らしく生きることができます。それが、センスのいい人の魅力の一つなのです。
仕事でセンスを発揮する方法
ピンチの時こそ「なるほど、そうきましたか」と受け止める
センスのいい人は、ピンチの時こそ冷静に対応します。「なるほど、そうきましたか」と状況を受け止め、次の一手を考えるのです。
例えば、仕事で大きなミスをしてしまったとき、「どうしよう」「もう終わりだ」と取り乱すのではなく、「なるほど、そうきましたか」と状況を受け止め、冷静に対処方法を考えます。
ピンチの時こそ冷静に対応することで、周りの人も安心し、問題解決に向けて協力してくれるようになります。それが、センスのいい人の対応の仕方なのです。
「今日も明日もいい日になる」と信じて過ごす
センスのいい人は、「今日も明日もいい日になる」と信じて過ごしています。ポジティブな思考を持ち、日々を楽しむ姿勢を持っているのです。
例えば、雨の日でも「雨の日だからこそできることがある」と考えたり、失敗しても「次に活かせる経験になった」と捉えたりします。
「今日も明日もいい日になる」と信じて過ごすことで、実際にいい日が増えていきます。それが、センスのいい人の生き方なのです。
迷ったときは「人として美しい方」を選ぶ
センスのいい人は、迷ったときに「人として美しい方」を選ぶ判断基準を持っています。
例えば、仕事で利益を優先するか、倫理を優先するかで迷ったとき、「人として美しい方」を選ぶことで、倫理を優先する判断ができます。また、自分の利益を優先するか、他者の利益を優先するかで迷ったとき、「人として美しい方」を選ぶことで、他者の利益も考慮した判断ができます。
迷ったときに「人として美しい方」を選ぶことで、後悔のない選択ができます。それが、センスのいい人の判断基準なのです。
感想・レビュー
「センス」という曖昧な概念を具体的な習慣に落とし込んだ実用性
『センスいい人がしている80のこと』を読んで最も印象に残ったのは、「センス」という曖昧で捉えどころのない概念を、具体的な日常の習慣に落とし込んだ実用性の高さです。
有川さんは、センスを「生まれつきのもの」という神秘的な領域から解放し、誰でも身につけられる具体的なスキルとして提示しています。例えば「好きなものだけで選ぶ」「違和感のあるものはあっさり手放す」といった習慣は、明日からでも実践できるものばかりです。
特に印象的だったのは、センスを磨くことが単なる見栄えの良さを超えて、自分らしく生きることや幸せに生きることにつながるという視点です。センスを磨くことは、自分の内面と向き合い、自分の価値観を明確にすることでもあるのです。
著者の豊富な経験に基づく説得力ある提案
有川さんの約50カ国を旅し、50種類もの仕事を経験してきたという背景が、この本に説得力を与えています。単なる理論や理想論ではなく、実際に様々な文化や環境で出会った「センスのいい人」の共通点から導き出された知恵なのです。
例えば、「おもてなしは軽やかに、さりげなく」という章では、日本のおもてなし文化と海外の接客文化を比較しながら、真のおもてなしの本質を語っています。こうした多角的な視点は、著者の豊富な経験があってこそ可能になるものでしょう。
また、著者自身が様々な仕事を経験してきたからこそ、「仕事だってセンスよく」という章では、業種を超えた普遍的な仕事のセンスについて語ることができているのだと感じました。
日常に取り入れやすい小さな習慣の積み重ねの大切さ
この本の魅力は、特別なことをしなくても、日常の小さな習慣の積み重ねでセンスが磨かれるという希望を与えてくれる点にあります。
例えば、「一日一回の『ひとり時間』をつくる」「いい言葉を書き留める」「週1回、帰り道を変えてみる」など、どれも特別な準備や費用がかからず、今日からでも始められることばかりです。
センスを磨くことが、特別な才能や環境を持つ人だけのものではなく、誰にでも開かれた可能性であることを教えてくれます。それは、日々の小さな習慣の積み重ねによって、少しずつ自分を変えていくことができるという希望の物語でもあるのです。
まとめ
『センスいい人がしている80のこと』は、センスを後天的に身につけられるものとして捉え、日常生活から人間関係、仕事まで幅広い場面で実践できる80の習慣を紹介した一冊です。有川真由美さんの豊富な経験に基づく知恵は、誰にでも実践できる具体的な形で提示されています。
センスとは生まれつきのものではなく、日々の小さな習慣の積み重ねによって磨かれるものであり、自分らしく生きるための指針となるものです。「好きなものだけで選ぶ」「違和感のあるものはあっさり手放す」といった習慣を通じて、自分だけのセンスを磨くことができます。
この本は、センスを磨くことが単なる見栄えの良さを超えて、自分らしく幸せに生きることにつながるという希望を与えてくれます。誰もが持っている「センスの原石」を見つけ、磨くことで、自分だけの輝きを放つセンスが生まれるのです。



