「ごきげんになる技術」要約・ネタバレ・感想・レビュー(著:佐久間宣行)

「ごきげんになる技術」要約・ネタバレ・感想・レビュー(著:佐久間宣行)
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テレビプロデューサーとして成功を収めた佐久間宣行さんの著書『ごきげんになる技術』は、キャリアや人間関係を好転させるための「ブレないメンタルの整え方」を紹介しています。

佐久間さんが定義する「ごきげん」とは、単に明るく楽しい状態ではなく「メンタルが安定していて、ブレない軸がある状態」のこと。元来ネガティブ思考だという著者だからこそ編み出された、実践的なメンタル管理術の数々を見ていきましょう。

目次

「ごきげん」の本当の意味

佐久間宣行さんの『ごきげんになる技術』は、単なる自己啓発本ではありません。テレビ業界で活躍するプロデューサーが、自身の経験から編み出した「メンタルを整える技術」を惜しみなく公開した一冊です。この本では、「ごきげん」という言葉に独自の定義を与えています。

佐久間流「ごきげん」の定義

一般的に「ごきげん」というと、いつもニコニコしていて感じがいい状態や、気持ちが弾んでいる状態を想像するかもしれません。しかし、佐久間さんにとっての「ごきげん」はそれとは少し異なります。

佐久間さんは「ごきげん」を「メンタルが安定していて、ブレない軸がある状態」と定義しています。これは表面的な明るさや楽しさではなく、内面的な安定感を指しています。ポジティブ過ぎることもなく、かといってネガティブ過ぎることもない、中庸なメンタルの状態こそが「ごきげん」なのです。

佐久間さん自身、元来はネガティブ思考で、自分の弱さに悩み、不安を抱えながら生きてきたと告白しています。だからこそ、メンタルの安定を保つための技術を磨き上げてきたのでしょう。彼は「ポジティブ思考はドーピング」「ネガティブ思考こそ人生を一緒に伴走する相棒のようなもの」と考えています。

このように、佐久間流の「ごきげん」は、無理にポジティブになろうとするのではなく、自分の感情や状況を客観的に捉え、バランスを保つことにあります。そのため、どんな性格の人でも実践できる具体的な技術が本書には多く紹介されています。

なぜ「ごきげん」が大切なのか

仕事で成功するために大切なことは何でしょうか。論理的思考力、実行力、企画力、センス…。確かにこれらのスキルや能力は重要です。しかし、これらのスキルや能力のベースにあり、レバレッジを効かせてくれるのが「感情が常に安定している」こと、つまり「ごきげん」でいることなのです。

佐久間さんは、仕事だけでなく生き方にも「正しい準備」が必要だと説きます。まずは自分を知ることから始まり、自分の置かれた場所を理解した上で目標設定をすることが大切だと言います。常に自分をアセスメントしていかないと、自己評価と他人からの評価の乖離が気になって、行き詰まったり、無理し過ぎたりしてしまうのです。

また、メンタルが安定していると、周囲の人間関係も自然と好転していきます。自分がブレないことで、他者との関係性もブレにくくなるのです。キャリアにおいても、安定したメンタルは長期的な成功につながります。一時的な成果を上げるためにメンタルを犠牲にするのではなく、持続可能な形で成果を出し続けるためには「ごきげん」であることが不可欠なのです。

実践的な「ごきげん」テクニック

佐久間さんは本書で、日常生活で実践できる具体的な「ごきげん」テクニックを紹介しています。これらは理論だけでなく、佐久間さん自身が実践し、効果を実感しているものばかりです。

小さなご褒美を設定する技術

佐久間さんが提案する「ごきげん」テクニックの一つが、「小さなご褒美を設定する」というものです。例えば、「今日の仕事を終えたら好きな映画を見る」「やりたくないタスクを終えたらスイーツを食べる」など、自分にとっての楽しみを未来に設定することで、目の前の困難を乗り越えるモチベーションを得ることができます。

この方法は、Googleカレンダーなどのスケジュール管理ツールを活用すると効果的です。佐久間さんは予定やタスクを色分けして書き込み、自分の機嫌を守ることのできる楽しみな予定を意識的に作っておくことを勧めています。

これは単なる気分転換以上の効果があります。人間の脳は、楽しみを予定することで幸福感を得ることができるからです。未来の楽しみを想像することで、現在の辛さや困難を乗り越える力が湧いてくるのです。

また、小さなご褒美は必ずしも物質的なものである必要はありません。「好きな音楽を聴く時間」「何も考えずにぼーっとする時間」など、自分にとって価値のある時間を設定することも効果的です。

ネガティブワクチンの打ち方

佐久間さんが提案するもう一つの重要なテクニックが「ネガティブワクチン」です。これは最悪の事態を想定しておくことで、実際に問題が起きた時の心の動揺を抑える技術です。

例えば、プレゼンテーションを控えている場合、「うまくいかなかったらどうしよう」と漠然と不安になるのではなく、「うまくいかなかった場合、具体的にどんな結果になるのか」「その結果に対して、どう対処するか」をあらかじめ考えておくのです。

これにより、実際に問題が発生した場合でも、冷静に対処することができます。また、最悪の事態を想定しておくことで、「実際にはそこまで悪い結果にはならないだろう」という安心感も得られます。

佐久間さんは、ネガティブな思考を否定するのではなく、むしろ活用することを提案しています。ネガティブ思考は、リスクを事前に察知し、対策を講じるという点で非常に有用なのです。ただし、ネガティブな思考に支配されるのではなく、それを一つの情報として客観的に扱うことが重要です。

現代社会での「ごきげん」の保ち方

現代社会は、SNSの普及やリモートワークの増加など、かつてない変化を遂げています。こうした環境の中で「ごきげん」を保つためには、新たな視点や技術が必要です。

SNSとの上手な付き合い方

SNSを見ると心が病むという悩みは、現代人にとって非常に身近なものです。佐久間さんは、この問題に対して独自の視点からアドバイスを提供しています。

まず、SNS上での他人の成功や楽しそうな投稿は、その人の人生のハイライトに過ぎないという視点を持つことが大切です。誰もが自分の最高の瞬間だけをSNSに投稿する傾向があります。そのため、他人のSNSと自分の日常を比較することは、公平な比較ではないのです。

また、SNSの使用時間を意識的に制限することも効果的です。例えば、「寝る前の1時間はSNSを見ない」「朝起きてすぐはSNSを開かない」といったルールを設けることで、SNSに振り回されることを防ぐことができます。

さらに、フォローする人や見るコンテンツを選別することも重要です。自分を不快にさせるコンテンツや、比較して落ち込んでしまうようなアカウントは、思い切ってフォローを外すか、ミュートするなどの対策を取りましょう。

佐久間さんは、SNSを完全に避けるのではなく、自分にとって有益な情報源として活用することを提案しています。自分の興味や関心に合わせてSNSを使い分け、ポジティブな影響を受けるように工夫することが大切なのです。

職場での人間関係とストレス対策

職場での人間関係は、多くの人にとってストレスの原因となっています。「上司は仕事ができない人間です。考え方や仕事の進め方も合わなくてストレスが溜まります」といった悩みは珍しくありません。

佐久間さんは、こうした状況に対して、まず相手を変えようとするのではなく、自分の受け止め方を変えることを提案しています。例えば、「この上司から学べることは何か」「この状況で自分が成長できることは何か」と視点を変えてみることで、ストレスを軽減することができます。

また、職場での人間関係は適度な距離感を保つことも重要です。プライベートと仕事を完全に分けることで、職場でのストレスがプライベートに影響することを防ぐことができます。

さらに、「自分の仕事の範囲を明確にする」「自分の価値観と合わない環境であれば、転職も選択肢に入れる」など、具体的な対策も提案されています。

佐久間さんは、職場での人間関係においても「ごきげん」を保つことが、長期的には自分のキャリアにとってプラスになると説いています。感情的になって対立するよりも、冷静に状況を分析し、最適な選択をすることが大切なのです。

「嫉妬心」との向き合い方

嫉妬心は誰もが持つ感情ですが、それをどう扱うかによって、人生の質が大きく変わります。佐久間さんは、嫉妬心や劣等感との向き合い方についても独自の視点を提供しています。

感情コントロールの実践例

佐久間さんは、「嫉妬心は、若いうちは成長の起爆剤になる」と認めつつも、「嫉妬心をもち続けていると、ドロドロの感情になりやすい」と警告しています。つまり、嫉妬心や劣等感はほどほどにしておいたほうがいいというのです。

その理由として、佐久間さんは興味深い指摘をしています。「他人と比べて劣等感を抱く人は、つまるところ、自分よりも立場が弱い人に対して優越感を抱きがちだ」というのです。人間の心理は表裏一体であり、劣等感と優越感も実は同じコインの裏表なのです。

では、嫉妬心や劣等感とどう向き合えばいいのでしょうか。佐久間さんは、まず自分の感情を否定せず、認めることから始めることを提案しています。「嫉妬を感じている自分」を受け入れた上で、その感情に振り回されないようにすることが大切です。

また、他人と比較するのではなく、「昨日の自分」と比較することで、自分の成長に焦点を当てることも効果的です。他人の成功を喜べる心の余裕を持つことで、嫉妬心から解放されることができます。

佐久間さんは、クリエイターにとっても嫉妬心や劣等感との向き合い方は重要なテーマだと指摘しています。クリエイターのように何かを作り続けている人は、他人と比べて「足りていない」と感じやすいものです。しかし、他人と比べ続けていると、たとえ自分の足りていないところを克服したとしても、結局他人と比べて自分が上だと感じるというループに陥ってしまいます。

このように、佐久間さんは嫉妬心や劣等感といったネガティブな感情を否定するのではなく、それらを認識した上で、うまくコントロールする方法を提案しています。これも「ごきげん」を保つための重要な技術の一つなのです。

感想・レビュー

佐久間宣行さんの『ごきげんになる技術』は、単なる自己啓発本の枠を超えた一冊です。テレビプロデューサーという第一線で活躍する著者が、自身の経験から編み出した「メンタルを整える技術」が惜しみなく公開されています。

特に印象的だったのは、「ごきげん」の定義そのものです。表面的な明るさや楽しさではなく、「メンタルの安定」と「ブレない軸」という本質を捉えた視点は、目から鱗が落ちる思いでした。現代社会では、SNSの影響もあり、常に明るく楽しそうにしていることが求められがちです。しかし、佐久間さんの言う「ごきげん」は、そうした表面的なものではなく、内面的な安定感を重視しています。

著者自身がネガティブ思考と公言していることも、この本の信頼性を高めています。ポジティブ思考の人が「前向きに考えよう!」と言うよりも、同じ悩みを抱えた人が見つけた解決策には説得力があります。佐久間さんは、ネガティブ思考を否定するのではなく、むしろそれを活用する方法を提案しています。これは、多くの自己啓発本とは一線を画する視点です。

「小さなご褒美を設定する」という技術は、すぐにでも実践できる具体的なアドバイスとして非常に有用です。私自身も試してみましたが、確かに目の前のタスクに取り組むモチベーションが上がりました。また、「ネガティブワクチン」の考え方も、不安や心配と向き合う新しい視点を提供してくれます。

SNSとの付き合い方や職場での人間関係についてのアドバイスも、現代社会に生きる私たちにとって非常に参考になります。特に、SNS上での他人の投稿は「人生のハイライト」に過ぎないという視点は、SNSを見て落ち込んでしまう人にとって救いになるでしょう。

嫉妬心や劣等感との向き合い方についての章も印象的でした。他人と比較して劣等感を抱く人は、自分よりも立場が弱い人に対して優越感を抱きがちだという指摘は、自分自身の心理を見つめ直すきっかけになりました。

総じて、この本は「メンタルの整え方」を謳うコラム記事の皮を被った「ずるい仕事術」の続編とも言えるでしょう。佐久間さんの前著『佐久間宣行のずるい仕事術』を読んだ人にとっては、さらに深い洞察を得ることができる一冊です。

また、本書は実践的な内容が多く、読んだ後すぐに行動に移せる点も魅力です。例えば、Googleカレンダーでの予定管理の方法や、メモの取り方など、具体的なテクニックが紹介されています。

佐久間さんの文体も読みやすく、難解な専門用語や抽象的な概念に頼ることなく、誰にでも理解できる言葉で「ごきげん」の技術が説明されています。読んでいて心が軽くなるような、そんな一冊です。

まとめ

佐久間宣行さんの『ごきげんになる技術』は、メンタルの安定を保ちながら充実した人生を送るための実践的なガイドブックです。佐久間さんが定義する「ごきげん」とは、単なる表面的な明るさではなく、「メンタルが安定していて、ブレない軸がある状態」を指します。

本書では、「小さなご褒美を設定する技術」や「ネガティブワクチンの打ち方」など、日常生活ですぐに実践できる具体的なテクニックが紹介されています。また、SNSとの上手な付き合い方や職場での人間関係のストレス対策、嫉妬心との向き合い方など、現代社会特有の悩みに対するアドバイスも満載です。

元来ネガティブ思考だという著者だからこそ編み出された、これらの「ごきげん」テクニックは、多くの人の心に響くことでしょう。メンタルを整えることで、キャリアも人間関係も好転する可能性を秘めた一冊です。

\忙しい方には聞く読書習慣

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この記事を書いた人

元書店員の読書好きの30代男性「ダルマ」です。好きなジャンルはミステリー小説とビジネス書。
このサイトを見て1冊でも「読んでみたい」「面白そう」という本でに出会えてもらえたら幸いです。

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